SKOOTA GAMES IndieGames Notebook Interview
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「1級建築士」が設計し、「天才エンジニア」が建てる――テバサキゲームズがニュースノベル『コメンテーター』で証明した設計の力【後編】

by SKOOTA 2026.06.08

前編では、1級建築士のヒヅメ氏がいかにして若きエンジニア・手羽先氏と出会い、どういう風にお声がけをし、どういった設計図をお渡しすることで制作チームが結成されたのかをお届けしました。

しかし、どれほど完璧な設計図があっても、実際に手を動かす者同士の歯車が噛み合わなければ、思い描いたゲームは完成しません。テバサキゲームズの3人は、住んでいる場所もバラバラな「完全フルリモート」の体制で、さらにディレクターとプログラマーの間には約20歳もの年齢差があります。

インディーゲーム開発というリソースの限られた環境において、彼らはなぜコミュニケーションの齟齬を起こさず、これほどまでに洗練された作品をスムーズに組み上げることができたのでしょうか。

後編では、一見すると奇跡のようにも思える彼らのチームワークの根底にある「他者への深い想像力」、孤独なインディー開発の先に待っていた熱狂、そしてメンバーそれぞれが『コメンテーター』という作品に込めた執念にも似た“こだわり”について紐解いていきます。

※このインタビューは、2025年1月30日に行われた内容です。現在と内容が異なる可能性がありますので読む際にはご注意ください。


テバサキゲームズ

テバサキゲームズは、一級建築士とAIプログラマーというバックグラウンドを持った異色のメンバーからなるゲーム制作ユニットです。

ゲーム開発は、コメンテーターの構想を描いていたプランナー兼ディレクターのヒヅメが、当時高校生だったプログラマーの手羽先に声をかけるところからスタートしました。今後も「普通に面白いけど気づきを得られる」シリアスゲームの開発を目指していきます。

  • ヒヅメ:プログラム以外を全部
  • 手羽先:プログラマー
  • エリナ:デザイン

Chapter 4. 20歳差のフルリモート開発:「嫌われている」という戒めと深い想像力

――ちょっと追加で制作に関する内容をお聞きしたいなと思います。この『コメンテーター』は先ほど手羽先さんの方からもUnityで作ったというお話がちらっと出たんですが、メインで使われている開発ツールやコミュニケーションツールってどういったものを皆さんは使われていたんでしょうか。

ヒヅメ:開発ツールはUnityです。これは手羽先くんが初めてゲーム開発をするってなって、で彼はまだ当時18でしたし、簡単にビルダーとかで作る方法もあったと思うんですけど、それだと彼が関わってくれるところが少ないような気がしてですね。どうせなら今後すごく役に立つ経験をしてもらいたいなと思って。それだったらUnityかUNREALエンジンじゃない?っていう風にちょっと提示をさせてもらったんですね。で、ゲーム性を考えてUnityにしようかっていうのを話し合って決めましたね。 それ以外のコミュニケーションツールだと、Facebookで最初繋がったんで、そのままメッセンジャーで日々の雑談はしていて。それ以外だと手羽先くんが用意してくれたnotionで、記録とか蓄積とかはしていってるかな?

――なるほど。事前にご紹介のタイミングでちょっとお聞きした時に、皆さん別々の場所に住まれていて、100%フルリモートで制作されていたと思います。それこそリモートだから生まれるディスコミュニケーションがあると思いつつですが、それは実際どうだったんでしょうか。もしなかったとしたらすごく良い現場だなと思いつつ、どういった工夫をされていたのかをお聞きしたいですし、プロマネの観点からしてどういったコミュニケーションのツールを使ってタスクを確認したり網羅できたのかもお聞きしたいです。

ヒヅメ:最初はメッセンジャーがメインで、ちょっとビデオチャットみたいなのもしながら進めていったのが最初の方ですね。年齢も僕と手羽先くんで20個ぐらい離れてるんで。あと会った時間が本当にもうその2日間だけなので、僕は手羽先くんにさして好かれてないっていうのを常にこう、意識してましたね。

――そういう心構えだったという話ですか。

ヒヅメ:そうです。気をつけなきゃいけない。で、さっき言った20も年上だしさもすると端的にやっぱ怖がられるだろうなっていうのも感じてたので。

手羽先:ははは(笑)

ヒヅメ:ビデオチャットの時はもうちょっといつものトーンよりちょっと愛想良くしたりとか(笑)あとはなんだ、きわどいっていうのかな、その際どい冗談とかも言わないとか。なんだろうな。手羽先くんがちょっとミスして前もそんなことやってたけど気にしないでみたいな。なんかこう、信頼関係があるからこそできる冗談も言わないとかですかね。僕の中ではもう「手羽くんとは仲良くないんだから。君は」って何度も言い聞かせてやってましたね。

――それはやっぱり距離が離れている、歳が離れているみたいなところで、無用な誤解の種というものを事前にカットするために、結構繊細に気を使っていたっていうところなんですか?

ヒヅメ:そうですね。付き合いも短いですし、本当にイベントの2日間とその打ち上げぐらいでした。すごく楽しかったですけど、その楽しさに甘えるとロクなことがないんで。それはすごく気をつけてましたね。

エリナ:日本の全上司に聞かせたい言葉(笑)

手羽先:教訓にしないとなというか、自分も気をつけないとみたいな。いや、でも。本当にその、さしてそれはなんか感じなかったですけど、その言葉遣いがすごい丁寧で。こんなに年下の僕でできないこともいっぱいあったりとか、こうある中で、常に前向きな言葉をかけてくださったりとか、こう明るくっていうフレンドリーな感じでいらっしゃったので。フルリモートだけども、すごいコミュニケーションが促進した部分の本当に本質なんだろうなっていうのは、すごい再認識というか、再実感しましたね。

――自分が言ったことに対してどう反応するのか、どう感じるのかを常に気に配る姿勢がゲームのみならずここにも表れているんですね。でも逆に言うとこれは少人数だからできることなんですよね。100人規模になってくると構っていられないというか。

ヒヅメ:その通りです。このコミュニケーションの取り方ってのは、相手が仕事のできる子だった場合にしか通じないと思ってるんですよ。こう、チームの中ででかい会社の中で、この子はこの組織の中で全然ちょっと合わない、肌が合わないですとか、この仕事だと全然上がりが良くないんです。それでもどうにかしてくださいみたいな時には通じないんじゃないかなと思ってますね。ものすごく幸いに、手羽先くんも僕の想像以上にすごくよく仕事を的確にこなしてくれますし、エリナもデザインは今自分の私生活の中で勉強してくれてその一環でやれるならいいよって手伝ってくれてるんですけど、元々ね、彼女も仕事のできる子なので、非常にサクサクと帰ってくるので、それだから成り立ってたのかなって気はしますね。これがもう全然、全然何もかもうまくいかない。エリナのデザインはえらいひどいし、デバックも全然プログラムも上がってこないし、いつまでたっても通じないしってなった時の打開策としては使えないのかもしれないですね。

――でもある種、直感的にもう既に成功してる部分ですよね。つまり、そういったメンバーを直感的にチョイスしているというか。

ヒヅメ:そうです。あのやっぱりそのイベントの時に地頭が良いとかそういうのもさることながら、やっぱりそのトラブルで取り乱さない。まあ、内心焦っててもいいんですけど、取り乱さない。本当にイベントをやれるのかな?みたいなぐらいのトラブルがあったんですけど、そういう時もイライラしない。かと言って別に自分事じゃないからなみたいな投げやりな態度もしないとか。そういうところを見ていて、なんかすごい仕事できる人だなって思ったんですよね。だからやれるだろうみたいなのはありました。

エリナ:このお話聞いた時点でもう採用したいもんな。

ヒヅメ:そうだよね。

手羽先:ありがたい限りで、恐縮ですほんとに。(笑)

エリナ:でもそれでいうと、コミュニケーションっていうポイントで言うと、一応ヒヅメくんは今2児の子育て中なんですよ。で、ゲームショウ前にその一番忙しい時に赤ちゃんが生まれたので、そういう部分で時間帯はちょっと気を使ってましたね。この時間帯は多分寝かしつけとかで忙しいだろうから、一応最低限このぐらいの完成度でこういうイメージでどうっていうのを投げて、感触を確かめてからある程度ざっくり決まった後、その詰めに持っていくレベルのデザインをするのは自分でやって。で、最終チェック回してもらってみたいな感じで、ポイントポイントで相談をするようにはしてましたね。

――そこにも思いやりが。

ヒヅメ:実際、エリナのデザインに付いてベタ張りでコールしたことは一回もないよね。多分ね。

エリナ:うん。

ヒヅメ:多分ないはず。こういうのどう?いいね、こんなもうちょっとこういうのだといいねとか。あぁだね、こうだねっていうのをメッセンジャーベースでやっていて、コールだったりとか、ミーティングとかをそのデザインのために持ったことはないはず。

エリナ:確かにね。そんなにお互い外さなかったっていうのもあるよね。こういう何か多分圧倒的に嫌いな感じのものは出してないと思う。そういうのも多分付き合い長いからっていうのもあると思います。その新規の完全に新規のお客さんとかだったら、そうは言ってない気がしますしね。

ヒヅメ:そうそう。誰かと仕事をしたいって言ったと思うんですけど、それは業者さんとかフリーランスの方に発注をしたいって言うのと違うですよね。知り合いとやりたいっていうのはあります。

手羽先:それでいうと僕はイベントでヒヅメさんと会った時しか話していないわけで、知り合いと呼べるかどうか怪しいぐらいの(笑)、最後のバスで移動しているときとご飯食べているときくらいしか喋ってないんですよね、基本的には。

ヒヅメ:僕はね、コミュニケーションをする中では手羽先君には好かれてないんだよっていう戒めをもって接してたけど。

手羽先:そこからそれがあったんですか。(笑)

ヒヅメ:いやいや、そうじゃなくて。僕の中ではもう友達だったからね。

手羽先:はいはいはい。(笑)

エリナ:心持ちとして持ってたと思うんだよな。

ヒヅメ:そうそう。知り合いというか、一緒に仕事ができる友達だと思ってみてたよ。

手羽先:あー、ありがたいですね。

――そういう直感って確かにありますよね。いた時間は長くないけど、この人なら大丈夫そう的な感じの人が。

手羽先:本当に初期の頃に「じゃあゲーム作ろうか」とヒヅメさんが言った時に、最初の一回エリナさんと僕とヒヅメさん3人オンライン上で顔合わせをしたことがあったんですよね。当時僕はエリナさんを知らなかったんですよね。名前は知ってるけどどんな方なんだろうとかって思ってた時に、3人でミーティングしたんですけど。物の数秒で居心地がすごく良くて。 なんか、初めまして感がないというか、親戚というか。そういう感じでなんか接してもらって、そこの波長がみんなぴったり合ってたみたいなのはすごく感じましたね。だからそれがいわゆる今の直感的にいい人だっていうものに繋がってるのかもしれないですね。

――良いチームですね。

手羽先:恵まれたと思います。

Chapter 5. 孤独なインディー開発と、それを打ち破る“熱狂”

手羽先:インディーゲーム開発者ってすごい孤独なんですよ。ヒヅメさんもエリナさんも僕も、とにかく孤独なんですよ。インディーゲームって。もう、市場に出すまではどんな反応してくれるか、ユーザーが好意的な反応してくれるか、低評価するかわかんないっていう狭間の中で戦ってて、でも進捗は出さないといけないし。じゃあ他に話せる人っていったらこのメンバーで話すんですけど、やっぱり人数少ないですし、フルリモートであるわけで、そう頻繁に顔を合わせられるわけでもないので。インディーゲームって仮に同じ地域に住んでたとしても、すごいやっぱり孤独だと思うんすよね。その一人一人の作業量ってのが、インディーゲームだと一人の負担って絶対に増えるんで、その分作業の自分の時間を作らないといけないので、そこの孤独感との闘いというのはすごいあるなって今ふと思い出しましたね。

ヒヅメ:一番最初に東京インディーゲームズサミットに出展した時に、ようやくちょっと報われたよね。そこはね。

エリナ:そうなんですよ~そう。

手羽先:あそこで予想以上に自分の数10倍のフィードバックが返ってきて、トントン拍子で取材がたくさん入ってきて、色んなパブリッシャーと繋がってって時に、こんなにレバレッジが効くというか、反響があるんだみたいなことを感じましたね。今までのものが帳消しになったというか、全然プラス黒字になったような感覚になって、このエネルギーを溜めたまんま、今回の東京ゲームショウまで来たって言っても過言ではないぐらいエネルギーをもらった回でしたね。それで言うと、そのその場でもらったお客さんからのコメントもそうですし、そのもう一つあったのは、ヒヅメさんも凄い感じてると思うんですけど、そのインディーゲーム仲間ができたんですよね、初めて。

手羽先:隣のブースの人のTwitter交換したりだとか、その会場にいる、もしくは違うブースとか、違う建物にいる人と繋がって、どういう風にゲーム作ってるんですか?とか。どういう風にパブリッシングしてますかとか、どういうコンセプトでやってますかとか、何か運用に関するノウハウとかってのをいろんな人に聞いて、Twitterを交換してってやると、Twitterにこう色んなフォロワーフォローができて、いつも見てくれる人とか古参な人が出てきたりする。多分ヒヅメさんが一番Twitter、Xを動かしてると思うんでわかると思うんですけど、繋がりが一気にそこで増えたんですよね。横の繋がりというか、チームというか仲間というか、インディーゲームっていう中の仲間が増えて、すごく大きな収穫だったなって今思いますね。

エリナ:もうそこで繋がった人たちが東京ゲームショウ来てくれたもんね~みんな。今思い出した。

ヒヅメ:すごいことですよ、本当に。

エリナ:裏で出展してた子が飲み会しましょうって言ってたのを忘れてました。

ヒヅメ:そこだよね。それはすごくでかいね。横の繋がりがだから直接その何かっていうわけではないんだけど、やっぱり作る中での孤独感っていうのはだいぶ大分軽減される気がするな。やっぱリアルは強いよ。ゲームでさえリアルは強いと思う。目の前でゲームをされることの体験っていうのは、やっぱりすごいものがあるよ。で、一応ね、漫画を描いたりもしてるけど、漫画本を目の前で読者さんに読ませても得られないようなすごい豊かなリアクションが返ってくる。笑ってくれるとか、驚いてくれるとか、その楽しんでくれる様子がすごく分かりやすい。片やそのすごく真剣な顔をして取り組んでくれてるとか、ね。楽しいよね。すごくすごく刺激的な体験になるの。あれはなんかこう、インディーゲーム開発続けてる人の気持ちがちょっとわかる。で、あと横の繋がりでいうと、東京ゲームショウなんかも4日間もあるから、4日終わった後の隣のブースの人達なんてちょっとしたバディーだったよね。

エリナ:そうだよね、間違いない。最後に写真撮ったもんな。

手羽先:そう、そうっすよね。その遠くにいた人のお手伝いとかも結構お互いにしてたりしましたね。なんかそのブース明日来れないからこのチラシ置いといて欲しいですって言って、じゃあ置いときますよって言って、こう置いてあげたりとか。そういう相互関係ができてたりとかするのはなんかすごいチーム感があって楽しかったですね。

――ほぼ最後になりそうですが、各々『コメンテーター』におけるこだわりポイントを伺いしてもよろしいでしょうか?ココこだわって、ココやってもらいたいよっていうお話を最後にお一人ずつにお聞きしたいなと思いました。

ヒヅメ:わかりました。ちょっと待ってくださいね(笑)

エリナ:これはヒヅメが最後にした方がいいのかな。

手羽先:確かに。

エリナ:じゃあ私から。私がヒヅメ君に僕ゲーム作りたいんだけど、付き合ってくれないみたいなんで、誘われた時に刺さったことの話をしてもいいですか?急にゲームを作りたいっていう話をし始めた時に、何か話を聞いたら、今のその『コメンテーター』の構想がその時点でちょっとあって。日本の人たちはあんまりその社会的というか政治的なことを表立って話さないとか、その話題があまりメディアとかで読まれないとか、好まれないとかっていうところをゲームの力でその表舞台に出したいっていう。ゲームっていう媒体を使って、その社会的なことを、楽しんでもらうっていうものに興味があるんだみたいなことを聞いたんですね。(私も)やっぱりその社会問題にすごく興味が元々あって、ちょっと極端なことを言い出すと、両極端になりがちな、世の中の分断みたいなのあるじゃないですか。これからの日本の社会の中で、そういうのをワンイシューで極端に振ってしまうのは良くなくて、なんかこう、グレーゾーンとかの答えとかもあるじゃないと。で、そういうのをその表現していきたいんだみたいなことを聞いてすごい共感したんですよ。

エリナ:それは面白い。絶対やりたい。で、なんかその時に出てきたのが『ドント・ルック・アップ』っていう映画なんですけど、その何かちょっと社会派政治派の何かこう世の中が分断するストーリーの映画なんですけど。それは映画というエンタメとして、その政治の物語をメタファーじゃないけど上手く大衆に伝えてるから、そういうのが面白いっていうのも交えて話をしてくれて。だからそういうのを私的には何て言うかな、社会問題とか、その政治とか言ってるけど、ニュートラルじゃないですか。何て言うんですかね、極端によってなくて、すごいニュートラルなところが私はヒヅメの好きなところでもあるんですけど、何かそういうニュートラルな感じで、「あなたはあなたらしく楽しんでいいよ」っていう社会派とか世論操作系とかって極端なこと言ってそうに見えて、実はそのニュートラルなところを楽しんでもらいたいですね。

――おっしゃったところはプレイしてみて本当に感じたポイントでした。誰かが言っていることをうのみにするとか、そういうことのアンチテーゼみたいな。コメンテーターが言っていることが別人の思惑で、操作されている可能性があるよっている教訓めいたものもありますし。

エリナ:いやあ、それはすごく嬉しいですね。なんかそれを感じていただけたなら、もう制作冥利に尽きるんじゃないですかね。

ヒヅメ:いや、そうだね。

――『ドント・ルック・アップ』も、そういう感じの映画でしたよね。

エリナ:そうなんですよ。なんか隕石が落ちてくるみたいなのを科学者の人が何か発見して言うんだけど、皆信じてくれない人たちと、信じてどうやってその危機を脱するかみたいな方向に邁進する人たちがいて、それ同士が戦ってっていうような、かなり社会性のある映画なんですけど。でも映画っていう時点でもうエンタメじゃないですか。だから何も知らずに観に行くと、何かそうじゃないない層の人たち、常にエンタメとして楽しみたい人たちが何かその吸収してくれるし。で、すごくそのコメンテーター自身も遊んでて、シンプルに楽しいじゃないですか。それが何かこう、全面的に社会派みたいな感じで、暑苦しくなくライトに面白がってちょっと感じられるみたいなところが一番このゲームの面白いところじゃないかなと思ってます。

――ありがとうございます。次の方は。

手羽先:手羽先がいこうかなとおもいます。多分。多分というか、そのゲームの面白いこととか、次追加される機能だったりとか、そういうところって多分ヒヅメさんが話した方がいいと思うので、僕はちょっとインディーゲームの皆さんにとってのプログラマーとしてどういうことをこだわったのかって、表面的な部分とバックグラウンドでちょっとお話ちょっとだけしようかなと思ってます。分かりやすい表面的なUI、UXに関しては、そのコメント、そのニュースを選ぶシーンがあると思うんですね。そのウメサワとこう向き合って、こうニュースが出てきて、それをどれを使うかっていう手札を当てはめていくシーンがあると思うんですけど。そこの黄色い付箋を置く、ペタペタと貼っていく、あれ結構こだわったんですよね。あれ結構作るの大変なんですよ(笑)なかなか大変で。 そのプログラミングの中でも、もちろん簡単なもの、難しいものになるんですけど、ああいうドラッグアンドドロップパソコンでは普通にある認識ですけど、あれを自分で作るのって結構難しくって、そこで結構時間というかリソースを割かれた部分があるので。置いた時にペタってはまるようなスナップ感覚っていうのはすごく大好きなので。

エリナ:カチッて?

手羽先:そうそう、カチってレゴブロックのようなカチカチ感。かといって硬い感じじゃなくて、少しこう余白を持たせたような、どのぐらいの距離まで近づけていったらくっつくのかとか。

エリナ:そういうのがあるんだ。

手羽先:そうです、どのぐらいの距離に行ったらくっつける、どのくらいの距離に行ったら離すみたいな処理を緻密に計算して作ったんですよね。なのでその心地よいってやつはプログラマーが必死に作ったってことで、ぜひぜひあの、そこを楽しんでもらえるといいかなっていうところがありますね。で、そこのドラッグアンドドロップ、一見簡単のように見えますけど、めちゃくちゃ頑張ったところで、シンプルな操作感とか、文字の表示とか、アニメーションも結構こだわってて、そのパネルが左右から出てくるアニメーションとかも、どれぐらいのディレイ、遅延をかけて、どういうアニメーションをかけたら一番気持ちいいんだろうかっていうやつを結構探したりとかして、そういうところが散りばめられてるので、何か動いてる場所とか、何か意外と単純そうなところにもこだわってるので、ちょっとそういうところを見つけていただけたらなっていうのが、表面的なわかりやすいところ。

で、プログラマーの視点からしてちょっと知識共有というか、ノウハウ共有っていうところでバックグラウンドの話をしようと思います。ちょっと今回開発に関するお話をちょっとできてなかったので、そのプログラマーの視点からいうと、プログラミングする人とかって結構手段にとらわれがちになっちゃうことがあるんですよね。こう、依存関係が逆転しちゃうというか、そのプログラムっていうのは、そのモノを作るための手段に過ぎないっていうのをちゃんと認識しておかないといけなくて。もちろんそのプログラミングを目的にするのもすごく大事だと思うんですよね。その技術の発展だったり、自分の能力を高めるため必要なんですけど、そのほかの人に遊んでもらうとか、楽しんでもらうっていうのが目的やった場合に、自分自己満足のプログラムを書いちゃダメっていうのは、自分もこう気をつけてることで、そこが結構大事。手段にとらわれないように。

例えば今回はUnityっていう選択しましたけど、別にアンリアルエンジンでもよかったわけで。ただそのBUILDERとか使うと、そのさっき言ったドラッグアンドドロップの実装ができないよねってところもあるので、そこがちょっとトレードオフのところもあるんですけど、うまく使い分けるようにっていうのがすごい大事だなっていうところと、あとデータの管理ですね。そのナレッジの共有の仕方。例えばそれこそヒヅメさんとはFACEBOOKのメッセンジャーでオンライン通話だったりとか、メッセージのやりとりをするんですけど、でもこうタイムライン形式で流れていっちゃうんですよね。いつ何を言ったか忘れちゃったりとかするので、それはどこに管理するんだろうとか、どういうふうに管理するんだろうとか、そのデータ構造を扱ってる僕はすごい興味があって、いろいろ工夫をしていろいろ工夫をしてノウハウを詰め込んだんですけど、一番わかりやすいのは、先程申し立てたnotionを使ったってところがでかくて、notionで全部データーベースを作ってやることリストとかタスクとか、タイムライン、ガントチャートを作ったりとか。要件書からTODOリストを作るっていう、その抽象を具体に落とすような作業を僕が担当して、ヒヅメさんとの認識のズレを防ぐようにしたりとかっていう手法を使ったりとか。とにかく一元管理をしようってところで、最初はなんかGITHUBってリポジトリコードを管理するサービスを使ってて、そこのイシューで管理をしてたんですけども、そのプログラマーじゃないとイシューが分かりにくいし、イシューはそんな頻繁にプログラマーじゃないと見ないので、notionでわかるようにしました。

あと最近AIが流行ってますけど、AIはめちゃくちゃ活用しました。このVSCODEってエディターよく使ってると思うんですけど、僕はカーソルってやつを使ってて、GPTが埋めこまれてるようなエディタなんですけど、それを使ってUnityは開発してましたね。多分普段例えば10時間かかるような作業が1時間とか2、3時間で終わるような使い方をしてて、それでこう結構一人だけど大規模な処理を作ってたとか、いうのは結構AIを使いこなせてたなっていうのはすごくありましたね。何かゲームを作る上でも、そのAI使いこなすために、もちろん自分も勉強してUnityの本を10冊ぐらい読んでみたりとか、ゲームのUnityに関係する、Unityとは限らず、ゲーム全体のゲームアーキテクチャだったり、シングルとOBSERVERとかリアクティブとかいっぱいあると思うんですけど、そこら辺勉強してそのUnityのコンポーネントシステムをきれいに保つ方法だったりとか、密結合にならないように素結合にしたりとかっていうところはすごい工夫してて、進め方に関しても何かアジャイル開発を取り入れてっていう感じでやってましたね。あと、最後にこだわったところいうと、その何ですかね、イベントでこう英語版対応してくれたら明日も来ますみたいな方がいらっしゃったんですよね。

エリナ:いた!めっちゃいた!

手羽先:それを僕、ちょうどその東京ゲームショウの、多分1日目とかでしたかね、たぶんビジネスデイだったかな?ですよね。で、その翌日に僕、せっかく365っていうハッカソンというか宿泊が、合宿があって、広島に行かなくちゃいけなかったんですよ。で、その博多駅、福岡に住んでますから、博多駅に朝6時から7時ぐらいに行って、その新幹線まつ30分の間とかに、その英語対応をしてみたいな。徹夜プラスそこの時間でデプロイをして、その英語対応する。で、その翌日にもう英語版が動くようにしたっていう、徹夜ドリブンじゃないですけど、もうイベントデイは全て徹夜して何か3徹したりして徹夜で開発したりとかしたんで、そこはこうなんですかね。命かけて作ったってとこはあるので、これ徹夜で作ったんだみたいな感じで見てもらえるといいのかなと思います。そんな感じです。

――すごい情報量があって、めちゃくちゃ面白いですね。

手羽先:ちょっと詰め込み過ぎてしまったんですけど。

――このトピックでぜひ第2弾、第3弾やりたいですね。

手羽先:やりましょう。

ヒヅメ:展示会中、展示会期間中の何ていうのフィールドプログラミングっていうの?(笑)何か現場で直して、どんどん改訂して改良をかけていくっていうのは、結構すごい動きだったよね。僕たちね、前回の。TIGSの時もそうだったし。

手羽先:TIGSの時はすごかったですね。僕も会場に行って、その小さいブースなんですけど、裏側に僕ともうひとり座れる椅子が2つあって、その一つの椅子でゲーミングPC開いて、そこでリアルタイムにもらったフィードバックとかバグをそのままその場で潰していって、ずっとゲームみんなプレイしてる中でずっとプログラム書いてるみたいな。ホテルカプセルホテルにいた時も、朝までずっと徹夜して、ずっとコード書いて修正して、その次の日にはもっといいクオリティのものを出すみたいなのを毎日繰り返してました。

ヒヅメ:やっぱリアルでお客さんに触れて反応を見ると、やっぱね、楽しくなって、どうにか良くしたい、治したいってなっちゃうよね。

エリナ:やりたくなっちゃうんだよね。

ヒヅメ:で、展示会でわざわざその『コメンテーター』を選んでくれて、遊んでくれる。遊ぶ時間、自分の時間を使って遊んでくれる人たちの満足度を少しでもその場で高めたいって、やっぱ思っちゃうよね。

手羽先:それこそ本当に英語対応したら明日は遊びに来るよとかもう断れないじゃないですか。明日広島行くけど、ちょっとほかっとくかとか実装はやめておこうかななんて思えないじゃないですか。そんなやるしかないと思って。

エリナ:しかも一人や二人じゃなかったからね。

手羽先:いや、すごいですよね。それが本当。たとえ一人とかでも僕はやっちゃうなって思っちゃったんですけど、そこがやっぱりすごいモチベーションになって、すごくいいものを届けたいっていう目的がモチベーションがあって必死に開発してたので、そこをなんか熱量ってものを感じ取っていただけるといいのかなということで、ヒヅメさんにつなぎたいと思います。(笑)

エリナ:完璧なつなぎだ。(笑)

Chapter 6. 語られない「予防タスク」の尊さと、これからのテバサキゲームズ

ヒヅメ:ゲームの本質的な部分はもうエリナが全部説明してくれてたし、してくれてたので、やっぱりね。これからプレイしてくれる方にはですね、もうとにかく気軽に遊べるゲームで作っているので、本当に、普段ね政治ゲームをやらない、政治をテーマにしたゲームをやらない人なんかも気軽にとにかく触れてほしいです。あとゲーム自体は他のジャンルで言えばね、ノベルだとかパズルだとかアドベンチャーだとか、そういうジャンルになりますけど、展示会出していく中で、僕はこれをもうパーティーゲームだっていうふうに自分の中ではもうできたんですよね。とにかく友達とかといって遊んで、その反応を楽しむ、リアクションを楽しむ人がプレイしているのを見るのも楽しいっていう、そういうゲームだっていうのが気づいたので、よりそこをちょっと突き詰めていきます。

なので特にですね、それを実況してくれる方とかがいるのであれば、普段実況者なんて政治の話なんて絶対にタブーで、自分のスタンスでも言えないし、ほんのちょっとした冗談でも何かこう、政治の不満だとか悪口とかも言えないみたいな、言わないっていうようにしてると思うんですけど。喋ってるのはコメンテーターなんで、実況者の方ではないんで、いくらでもですね、極端な発言をさせたりとか、もしくは思いの外真面目に勧めたりとかですね、自分の楽しいように楽しんで、もう好きに出てきたコメントとかにリアクションをして楽しんでもらえたらなって思ってます。もう全てのこの『コメンテーター』をプレイしてくれる人にそう思ってますね。

で、あと手羽くんがあと機能についてっていうのも言ってたから言うと、そのために出来るだけこの凄くシンプルなね、ターン制のゲームですけど、それでもちょっと皆さんの予想を覆して、ちょっとドキドキしてもらう仕掛けをメインで増やそうと思ってます。初めてのゲームですし、ボリュームを無限大に増やすことはできないんで、すごく色々考えた結果、ドキドキを優先しようというふうに決めました。なので、ちょっと今ね、試遊版で出ているものに加えて、ちょっと皆さんをドキドキさせるような仕掛けをどんどんイベントを加えていこうと思っていますんで、そこら辺もぜひ楽しみに待っててくださいというところですかね。

――ありがとうございます。最後に何か告知事項はありますでしょうか?

ヒヅメ:いやもう(笑)ゲーム開発しますんで、リリースしますんで待っててください。ほんとすんません。

――XやNote、Steamを除いてもらえたらといった感じですかね。

ヒヅメ:そうですね。Xでも出しますし、もちろん開発関係ノートにまとめたりもしますけど、もちろんプレスリリースなんかも適宜出して、メディアさんにもね、できるだけ取り上げてもらって、いろんなチャンネルから皆さんにお伝えできるように努力しますんで。それであのおじさんなんとなく覚えててくれてればなって思いますね。

――ありがとうございます。手羽先さんとエリナさんからはいかがでしょうか。

エリナ:いや、何かカードをおくたびに、これから手羽くんに感謝しようと思います。

手羽先:あはは(笑)1枚1枚。

ヒヅメ:あれね、誰も言わないけど、めっちゃみんな気持ちいいと思ってプレイしてると思うよ。

手羽先:いやあ嬉しいです。

ヒヅメ:それ気持ちいいから。多分誰も引っかからないっていう、その引っかからない良さだと思う。あれは。

手羽先:いや、嬉しいですね。頑張った甲斐が本当にあるなと。それで言うと、そのこだわったところとかじゃあどういうふうにしたらUX良くなるの?っていうのを今テバサキゲームズでノートを書いてると思うんですけど、その開発関係のことまだ書いてないんですよね。僕が、ヒヅメさんがこういうゲーム何か作ってて、こういう所に出展しました、取材受けましたとか、こういう風にしていきますとか、ちょっとプライベートのことを書いたりってことはしてるんですけども、開発系のことまだ一切発信してないので、告知と言ったら、今後そちらに開発系の知識というかノウハウがどんどんどんどん出てくると思うので、ぜひフォローの方お願いしますっていう感じですかね。

リリースを目前にした今まで続いているNoteの記事投稿。テバサキゲームズのNoteより引用。

――途中のカーソルの話とか、少人数で行う一元管理を含めてプログラミング、エンジニアリングの話ももっと伺いしたいですね。

ヒヅメ:ぜひぜひこれをやることで僕らも得られるものがあると思うので。

手羽先:エリナさんなんか広告周りの話とかも聞きたいですね。デザイン的な広告デザインとか、その行動じゃないですけど、そういうアプローチの仕方とかもすごくうまく今いってると思うんですよね。このヒヅメさんがマネジメントというか企画コンセプト設計をして、僕が開発をして、で、エリナさんがうまくそれを出しているって感じはすごいしてるので、こう皆さんのナレッジを共有するというか、ノウハウを見てみたいなっていうのがすごいありますね。

エリナ:そうか、じゃあ、なんかでも私、別にそんなそんな言うほどのあれはしてない(笑)

手羽先:いやいやいや(笑)もうやってくださってますから。

エリナ:確かに何かこういうのつまずいたとかそういうのはあるから。そういう何かこれめっちゃヒヅメが「こうが良い」って言うけど、めっちゃ面倒くさいんやぞお前みたいなのがたまにあるから。そういうのを供養させてもらう場にできるよね。(笑)

ヒヅメ:確かに。

手羽先:僕全く知らないんで聞きたいっす。

エリナ:でも何かそういうの面白いね。開発の裏話というか。ヒヅメお前そんなこと言うけど、これ裏でどんだけ面倒くさい処理必要だと思ってんだみたいなのとか。そういうのをちょっと聞きたいな、面白そう。

手羽先:違ったベクトルで来ましたね(笑)

エリナ:実は普通、今のさそのカードの話とかもそうだけど、なんかそんなところに手間かけてるとは露も思わない場所とかにさ、やっぱグラフィックみたいなことにさ、なんか何て言うの、なんかいろんな難しい部分が存在すると思ってるじゃん。でも実は何かバックエンドでこういう処理が必要になっちゃうから、何か五月雨式にここも直さなきゃみたいなのが手羽くんもあったわけでしょう。

手羽先:ありますね。

エリナ:何かそういうのも聞けると、すごい何か私はプログラムの知識は全然ないけど さっきも言ったけど、オーダーする側のリテラシーというかさ、私とかヒヅメの頼むときにっていうところの知見にもなるから、そういうのは聞いてみたいね。

手羽先:確かに何かうまくいったこととか本質を話すだけじゃなくて、こんな失敗してきたとか、こういう苦労があったっていう、そういう話って何かみんな多分隠しがちというか。話さないですよね。なんか。

エリナ:ね、キラキラしてないから、あんまり。

手羽先:キラキラみんなキラキラさせてるから、そこを話すのはすごくこう、インディーゲーム会社にとって、この人達もこんな経験してたんだとか、おんなじような失敗してたんだっていう。安心感だったり、ロードマップだったりする。すごく価値があると今思いましたね。

――一番語られないけど、一番重要なポイントでいうと「予防できたこと」だと思うんですよね。予防できたから燃えてないし苦労もしてない。けど、予防するタスクって確実にあるじゃないですか。

エリナ:確かに、そうならないようにするっていう。

手羽先:あ、気づかなかった。それも話したいし、聞きたいっすね。

エリナ:でもそしたらさ、それを話すには我々がさ、予防してたことに気づかなアカンね?

手羽先:そうなんですよ。認知しないといけないから。メタ的な認知をしなくちゃいけない。自分で出そうと思ったら多分出ないですよね。多分。こう、今回みたいにここどうしたんですか?ってなった時に聞かれて初めてああ、こういうことしてましたって言ったら、なるほどみたいな。多分自分では気付けないんだろうなっていうのはちょっと感じますね。

――じゃあそれは第3弾ぐらいで皆さんのことをもっと知った上でないと質問ができないことかもしれないですね。

手羽先:すごい価値あるんじゃないですか。ここまで掘ってるところないと思いますよ。インディーゲームとかで。

――ここが掘れたら初かもしれないですね。ちょっとエゴみたいな話もしちゃいましたけど。

手羽先:いや、でも気づかなかったですね。何かインディーゲーム開発者気づかないところが見えたなって思いました。

――恐縮です。では本日は本当に長い時間に結果的になってしまいましたが、本当に多角的にいろんなことが聞けたことと、ゲームの魅力とそれを作られているメンバーのそれぞれのパーソナリティーとの魅力もお聞きできて、チームビルドのやり方とかチームの作り方等もヒントがたくさん聞けたかなと思いました。はい、それでは締めていきたいと思いますが。 本日は『コメンテーター』を制作しているテバサキゲームズの手羽先さん、ヒヅメさん、エリナさんに来ていただきました。今日はありがとうございました。

手羽先:ありがとうございました。

エリナ:ありがとうございました~。

ヒヅメ:ありがとうございました。