
こんにちは、SKOOTA GAMESのネゴラブチームに所属しております、モブです。
だいぶ遅くなりましたが、先日、5月9日から10日にかけて、代々木第一・第二体育館で開催された『40degrees japan』に参加してきました。 普段私がお届けしているようなインディーゲーム特化のイベントとは異なり、アート、ダンス、デザイン、ファッション、音楽、そしてゲームと、多種多様なジャンルのクリエイターが一堂に会するという、非常にカオスでエネルギーに満ちた祭典です。
そして今回は、単なるメディアや一般参加者としてではなく、なんと私たち自身も「出展者」としてブースを構えさせていただきました!
ゲーム業界という枠を飛び出し、全く異なる分野で活躍するクリエイターたちと同じ空間で展示を行うという経験は、控えめに言って「新鮮な刺激」でしたね。ゲームを作るのとはまた違うアプローチの「こだわり」や「表現方法」に触れることで、自分の中の凝り固まった視点がほぐされていくような、心地よい疲労感と充実感を味わうことができました。
さて、今回のレポートでは、そんな異業種交差点のような会場で見つけた、一風変わったコンセプトや展示を行っていた4つのブースをご紹介したいと思います。普段はなかなか接点のない分野のクリエイターさんたちに、出展者の特権(?)を活かして短いインタビューも敢行してきました。
それでは、熱気に包まれた代々木の様子を少しだけお裾分けさせてください。
日常に紛れ込む非日常。燃え残った宇宙服が紡ぐロマン ―― 『宇宙飛行士の日常+スペースエイジ』(ブース番号:F7)

最初にご紹介するのは、なんと「宇宙服」をハンドメイドで制作し、宇宙関連のコスチュームやアイテムを展示していた『宇宙飛行士の日常+スペースエイジ』ブースです。
会場を歩いていると、ブースの中央に鎮座する本格的な宇宙服と、その周囲を彩るレトロな宇宙関連アイテム(古い雑誌や家具など)に完全に目を奪われ、気づけば吸い寄せられるようにブースへ足を運んでいました。今回は特別に、出展者の方に直接お話を伺うことができましたので、その熱気あふれるインタビューの模様をお届けします。
モブ: 本日はよろしくお願いします。ブースの宇宙服、本当にすごい迫力ですね!改めて、このような作品を制作し、展示するようになった経緯についてお伺いできますでしょうか?
出展者:もともと僕は映像業界で特撮の仕事をしていまして、自主制作でSF映画を作ろうという話になったんです。特撮業界って、ヒーローマスクや怪獣みたいな「モノ」がまず先にあるとテンションが上がるんですよね。だから、僕らも同じノリで「宇宙が出てくるなら、まずは宇宙服を作った方が絶対テンション上がるぞ!」ということで作り始めました。
モブ: 映画の小道具からのスタートだったんですね。すでに少し伺いしておりますが、そこから拠点にされていたスタジオが火災に遭われ、焼け跡からこの手作りの宇宙服だけが奇跡的に無傷で残ったという……。その残された宇宙服を着て日常風景の写真を撮り始めたのが、今の活動に繋がっているというのは、まるで映画のようなドラマチックな展開だと感動しました。
出展者: そうですね。自主映画制作や特撮が好きという気持ち、そして色々な出来事が噛み合って今に至っています。「ここに宇宙っていないよね?」という日常の風景に宇宙服が紛れ込むことで、「あれ?ここ地球?」と錯覚するような非日常感を楽しんでもらえたらと思っています。

モブ: 確かに、見ているだけで凄く励みになるというか、なぜかテンションが上がってしまうんですよね。今後の展開として、この宇宙服や活動を通して何か目標などはあるのでしょうか?
出展者: 少しマニアックな話になってしまうのですが、今「アルテミス計画」という、アポロ計画以来となる人類の月面着陸プロジェクトが再始動していて、あと数年で再び人類が月に降り立つ予定なんです。スペースXなど民間を含めて、宇宙開発界隈が今めちゃくちゃ盛り上がっていまして。
モブ: なるほど、現実の宇宙開発が新たなフェーズに入っていると。
出展者: はい。そこで、この月面着陸に向けた盛り上がりを、アートやクリエイティブの表現で後押ししていこうというプロジェクトが始まっています。大阪のギャラリーと協力して、宇宙系の作家さんや、有名な漫画家さん、イラストレーターさんたちを集めたアートイベントを毎年開催して、僕たちも勝手に宇宙開発を盛り上げていこうと企んでいます(笑)。
モブ: それはワクワクしますね!私たちが普段生きている中で「宇宙」を意識することはあまりないですが、こうして宇宙服やアートを見ると、誰もが盛り上がってしまう。以前教えていただいた、「過去のスペースエイジ(宇宙開拓時代)に人類全体が受けた熱狂が、私たちの遺伝子に刻まれているんじゃないか」というお話に深く納得させられました。
出展者: ええ。アルテミス計画によって再び人類が月面着陸を果たせば、また新たな「21世紀型のスペースエイジ」がやってくるかもしれない。そんな未来を見据えながら、これからも作品を残していきたいですね。
モブ: 今後の展開がますます楽しみになりました!最後に、直近のイベントなどの告知はありますか?
出展者: 直近ですと、6月7日に開催される「コミティア156」にまた出展する予定ですので、ぜひ遊びに来てください!
恐ろしくも温かい、モンスターたちが迎える世界 ―― 『糖衣 華Toi Hana』(ブース番号:D15)

次にご紹介するのは、宇宙人やモンスターをテーマにしたオリジナルキャラクターのぬいぐるみやコスチュームを展示されていた『糖衣 華Toi Hana』さんのブースです。
ブースの周辺には、目が一つだけついているモンスターのコスチュームやぬいぐるみがズラリと並んでおり、道行く人の視線を釘付けにする圧倒的なビジュアルを誇っていました。映画『モンスターズ・インク』に出てきそうな、ちょっと無骨で恐ろしい見た目。なのに、「目は口ほどに物を言う」とはよく言ったもので、彼らの瞳を見つめていると、なぜか「この子たちは私を傷つけない」という不思議な安心感と温かさが伝わってくるのです。
こちらも出展者の方に短いインタビューをお願いしました。
モブ:ここに展示されているモンスターたちですが、どことなく『モンスターズ・インク』のような雰囲気も感じますね。こういった作品を作られるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
出展者: そうですね、子どもの頃からそういった映画がすごく好きで。あとは、着ぐるみが出てくるような教育番組をよく見ていたのがきっかけかなと思います。それで映画の専門学校で特殊メイク学科に行って、就職も映画の美術の仕事に就いたんですけど。ただ、自分がやりたいこととはまた別の感じだったからやめて、今は自分の好きなものをやろうといった感じですね。
モブ:なんか映画好きって皆さんすごく行動力があるイメージなんですよね。なおさら教育番組を見たからって、こういったぬいぐるみに興味をもつ子供はあまりいないのではないかと。実際こういう制作に手を出した理由は何でしょうか?

出展者: 自分は映画好きでメイキング動画を見るのが好きだったんですよね。
モブ:なるほど。逆にそれをみて夢を壊された経験はありませんか?
出展者: いや、むしろ着ぐるみの中身を知りたいほうだったというか。(笑)そういう裏側がどうなってんだろうなというのが気になったタイプでしたね。
モブ:確かに、わからなくもないですね。最後に次の活動として何かご紹介いただけますでしょうか?
出展者: 次のイベント、9月になりますがまたこういうぬいぐるみ系の作家が集まるイベントがあるんです。それに出ようと考えています。
個性の奔流が織りなす、動物たちの合同展示 ―― 『Quad Pop』(ブース番号:E19・20)

続いてご紹介するのは、4人の気鋭のイラストレーターさんたちが集結した合同ブース**『Quad Pop』**です。(参加アーティスト:柴尾さん[@shibao_2525]、mocaさん[@moca_wandering]、うろぐつさん[@Uuboots]、猫屋まんぷくさん[@manjyukowai_nya])
一見して自分が思ったこの4人の共通点は「動物」でした。ウェルシュ・コーギーやアヒル、小さくてキュートなモンスター、ふくよかな猫、海を渡る鳥など……。それぞれ全く異なる画風と個性、そして別々の物語を持ったキャラクターたちが一つの空間に同居している様子は、視覚的な豊かさと色鮮やかな刺激を与えてくれる、非常に贅沢な展示空間でした。
別々のバックグラウンドを持つアーティストたちが、なぜ集まり、どのように活動しているのか。同じくモノづくり(インディーゲーム制作)に関わる他業種の人間として、ベテラン出展者である彼らの考えやスタンスにとても興味が湧き、お話を伺ってみました。
モブ: 皆さん、それぞれご自身の好きな動物やキャラクターを魅力的に描かれていますが、そもそもこういった作品を描き、展示されるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
出展者: もともとは完全に趣味で描いていたんですが、「せっかくならイベントに出てみよう」と思ったのがきっかけですね。イベントという目標(締め切り)があると、ただの趣味から「他人に魅せるもの」「商品」としてしっかり固めてアウトプットするようになるので。
モブ: なるほど! イベントや締め切りがあるからこそ、モチベーションが上がって形になるというのは、モノづくりあるあるですね。ちなみに、実際に描かれている動物(猫など)は皆さん飼われていたりするんですか? 私のいるゲームやアニメの業界でも、集まるとよく猫の話題で盛り上がるので気になりまして。

とにかくかわいさ満載のブースでした。

「どこで集まったんだろうこの人たち」と思った次第です。
出展者: 実際に飼っているメンバーもいれば、飼ってはいないけれどお世話をしていたり、とにかくその動物が好きで描いているという感じですね。
モブ: なるほど。ちなみに、こうした展示イベントにはかなり前から参加されている感じですか?
出展者:メンバーによってバラバラですが、長い人だと10年くらいになりますね。日本のイベントだけでなく、海外のイベントに出展したりもしています。
モブ: 10年! 海外出展まで……めちゃくちゃベテランじゃないですか。これだけ本格的だと、皆さんはこれを本業としてやられているのでしょうか? それとも趣味の延長なのでしょうか?
出展者: 普段はイラストレーターとして仕事の絵を描いていて、こっちは「自分の好きなもの」として趣味と仕事の中間のような感覚でやっている人が多いですね。中には全く違う本業を持ちながら、休みの日にこっちの活動をしている人もいますよ。
モブ: 普段の仕事だけでも手一杯になりがちなのに、休みの時間を使ってまで自分の創作活動を続けているのはすごいとしか言えないですね。最後に、次の展開や出展予定のイベントがあれば教えていただけますか?
出展者:実は2週間後(5月18日・19日)の「デザインフェスタ」に各々出展しますので遊びに来てください!
※注:記事の公開が遅くなってすみません!次の活動が気になった方はぜひ、各々クリエイターさんのSNS情報を追ってみてください!
可愛くもえぐい、食物連鎖のデスレース ―― 『わびさび寿司ダービー』(ブース番号:D18)

最後にご紹介するのは、我々SKOOTA GAMESのすぐ隣のブースであり、イベント期間中ずっと顔を合わせていたインディーゲーム『わびさび寿司ダービー』です。今回のイベントでは相対的に少数派だった「ゲーム枠」の出展者として、インディーゲーム制作者ならではの苦労や喜びを分かち合うことができました。
実はこのゲーム、過去の「台北ゲームショウ」などのイベントで何度かお見かけしたことはあったのですが、直接プレイして制作者の方とお話しするのは今回が初めてでした。
正直に言いますと、私はこれまでずっと「これは海外のデベロッパーが作ったゲームなのでは」と勝手に思い込んでいました。「わびさび」という直球すぎるネーミングセンスや、全体的に押し出された強烈な和の色彩が、逆に「日本を突き抜けた海外からのセンス」のように感じられていたからです。(インディーゲームあるあるですよね)
しかし、プレイしてみてわかりました。このゲーム、可愛い見た目に反して相当「えぐい」、生粋のヤバいゲームなのです。
モブ:「あなたが握ったお寿司が走る」というとんでもないキャッチフレーズですが、改めてどういうゲームなのか教えていただけますか?
出展者: お寿司を握って育てて、レースに参加して戦うゲームです。ただ、レースが開催されている場所が「日本のレストランのカウンターの上」だったりするので、たまにお客さんに箸で狙われてしまうことがあります。
モブ:ちなみに、お箸で取られてしまうとどうなるんでしょうか?
出展者: キャラロスト(完全消滅)です。ただ、食べられるとそれが「売り上げ」となってチップとして返ってくるので、その資金で次のお寿司を握って何度もトライし、最終的にS1カップでの優勝を目指すというゲームになっています。
モブ:やってみて思いましたが、これって相当えぐと思ったんですよ。(笑)可愛い寿司が走っていて、名前まで付けて愛情を注げるカスタム要素があるのに、それを容赦なく「食べる(壊す)」オチになっている。実際今回のイベントで子供のお客さんが多かった気がしますが、子供向けみたいなことは考えていなかったのでしょうか?
出展者: そうですね。子供向けのつもりは一切なく、むしろ自分たちの年代や20代くらいの若い人をターゲットに作っていました。でも、驚くほど子供からのウケが良くて、自分もびっくりしています。
モブ: なるほど。制作過程ではどうやってアイデア出しをされたりしたのでしょうか?
出展者: はい。小学5年生の娘がいまして、当初から「えんがわのスキルは何がいいと思う?」といったブレストを手伝ってもらったりしました。

人生初めての寿司。

モブ:それはいいですね。「自分が好きならそれでいいじゃん」というインディーゲーム特有の尖り方が、ご家族とのアイデア出しを通じて、大人も子供も惹きつけるバランスを生み出したんだと思いました。ちなみに、娘さんはこの「食べられる」システムについて何か仰ってましたか?
出展者: 娘はずっと最初から「食べられないモードを作ってくれ」って言ってますね(笑)。育てたお寿司を手放したくないと。
モブ: やっぱり!(笑)
出展者: 気持ちはわかるんですけど、「でも、食べられるからこそ価値があるんだよ」と。食べ物で遊んではいけません、ちゃんと食べられて、還元しようというところを知ってもらえればと。
モブ: 食育の哲学まで詰まっているとは……素晴らしいと思います。最後に、リリースや今後の予定について教えてください。
出展者: 今年の夏、7月頃にSteamで発売予定です。国内での展示はおそらく今回で一段落して、今後は北米などの海外イベントに出展していきたいなと考えています。
モブ: 海外展開も楽しみにしています!ありがとうございました。
※注:すでにSteamで体験版も公開されていますので、この記事で気になった方はぜひ「食物連鎖のデスレース」を体験してみてください!
終わりに ―― 太ももうさぎも大奮闘してきました!
もちろん、私もひたすら会場を出回っていたわけではございません。ちゃんと会場の片隅で、耳が太もものうさぎ『太ももうさぎ』を色んな方々に広めてきました!
数多くのお客さんに触れていただく中で、「かわいい」と言ってくださる方もいれば「よくよく見たらなんかおかしい」と去っていた子供のお客さんもいました。(笑)どれにせよ、普段見ることのない刺激を与えられたかと思い、太ももうさぎも私もうれしい2日間でした。

太もも推しのブースでした。

太ももうさぎの様子。
現在、太ももうさぎはiOSとAndroidでミニゲームを遊べるアプリを無料で出しています!アニメ映画『超かぐや姫!』で登場したミニゲームをどこでも・いつでも遊べるといった楽しいゲームアプリです。ご興味がある方はぜひ以下のリンクから!
それでは、熱気に満ちた代々木からのレポートはこの辺で。また次回の記事でお会いしましょう!