こんにちは、普段はインディゲームを開発しているレーベル、SKOOTA GAMESです。
春が近づくにつれて、今年もインディーゲームのイベント「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT(以下、TIGS)」の季節がやってきましたね。今月末、3月20日と21日に開催されるこのイベントに向けて、今まさにラストスパートをかけている開発者の方々や、どんなゲームに出会えるのかワクワクしているゲーマーの方も多いのではないでしょうか。
実は、私たちSKOOTAGAMESにとってTIGSは、少し特別な思い入れのあるイベントなんです。というのも、SKOOTAGAMESというチームが立ち上がって、「一番最初に出展したゲームイベント」が、このTIGSだったからですね。
右も左も分からず、知り合いのクリエイターもほとんどいない状態での初陣。とにかく気合だけは十分で、あれもこれもと荷物を持ち込みすぎた結果、私たちのブースだけまるで「ドン・キホーテ」のようになってしまったのは、今となっては笑える、良い思い出として残っています。
そして何よりも、現在多くの方に愛していただいている『ももっとクラッシュ(MOMO Crash)』を、初めてユーザーの皆様にお披露目したのもこの場所でした。まだ完成もしていないのに、通りがかった方々に「太ももで敵を挟むリズムゲームなんです!」と必死に熱弁を振るっていた当時の光景が、昨日のことのように思い出されます。もしこのゲームが気になる方は以下にあるSteamのストアページをご参照ください。
今回、私たちは出展を見送ることになったのですが、2024年・2025年と出展者として参加する中で、TIGSならではの面白さや、そこに集まるクリエイターたちの熱気をしっかり肌で感じてきました。
数あるインディーゲームイベントの中で、TIGSをひと言で表すなら「少しビジネス寄りでありながら、“密度の高い出会い”がある場所」だと言えました。広大なホールに何万人も集まるような巨大なスケールのイベントとは、ちょっと違っていたのです。でも、だからこそ生まれる特有の「熱」や「つながり」が確実にある場所でした。
この記事では、そんな“ドンキ風ブース”を作ってしまった私たちの(笑)過去の出展経験を振り返りながら、これからTIGSに出展する開発者の方々や、遊びに行こうと考えている来場者の方々に向けて、現場だからこそ得られたリアルな体験や魅力についてお伝えしていきたいと思います。
1. TIGSの熱気を加速させていた、あの「距離感」

どこに行っても人が混んでいる印象でしたね。

注力していた覚えがあります。
過去のTIGSを振り返って一番に思い出すのは、会場全体を包んでいた独特の「密集感」でした。大きな展示場のようにブースの間隔が広く取られているわけではなく、限られた空間に出展者とユーザーがぎゅっと集まっていたのが特徴的だったんです。
このレイアウトのおかげで、歩いているだけで自然と隣のブースが視界に入り、足を止めるとすぐそこに開発者の熱量が感じられる距離にありました。「ただ通り過ぎる」ことが難しかったからこそ、偶然の出会いが至る所で生まれていた気がします。
「ちょっと見ていこうかな」という軽い気持ちが、目の前の開発者との深い会話に繋がっていく。あの物理的な近さが、インディーゲームイベントらしいアットホームな、それでいて濃密なコミュニケーションを生み出す大きな要因になっていましたね。
2. 誰もが通る道? 初出展の罠と「ドンキ風ブース」の正体

発泡スチロールの煉瓦です。

私たちの初陣を振り返ると、今でもスタッフ間で笑い話になるのが「荷物が多すぎた問題」です。
初出展って、どうしても不安だったんですよね。「あれも必要かも」「これも飾った方がいいかも」と詰め込んだ結果、机の上にモニター2台、チラシの山、さらにゴリゴリの装飾……。周囲との距離が近い中で目立とうとしすぎた結果、私たちのブースだけ異様な密度になってしまっていました(笑)。
でも、その「何かが起きている感」が、逆に足を止めてもらうきっかけになったりもしたんです。
当時、私たちが実地で学んだアドバイスを送るとすれば、「一瞬の視認性」をいかに高めるか、ということです。出展者同士の距離が近いからこそ、モニターを少し通路側に向けて映像を流すといった、ちょっとした工夫がブースの存在感を際立たせるための鍵になっていたな、と振り返って感じます。
もし今回のTIGSが初めてのイベント出展という方(2年前の私たちと同じ立場)がいらっしゃったら、ご参考までに!
3. 実は“ビジネスの短距離走”。TIGSで出会えた人々


皆さん快く撮影に応じてくださってました。
当時のTIGSに参加して驚いたのは、ビジネス関係者の多さでした。
会場がコンパクトにまとまっていたからこそ、音楽のクリエイター、声優さん、そして海外のパブリッシャーの方々が、全てのブースを網羅するように熱心に回られていました。「全ブースを見尽くせる規模感」が、ビジネス的な出会いのハードルを下げつつ、その制度を上げていたのかもしれません。
出展数が絞られ、一歩歩くごとに新しい才能に出会える環境は、パブリッシャー・出展者側問わず非常に魅力的だったようです。クリエイター同士の横の繋がりも作りやすかったので、開発の悩みを共有したり、新しいチャンスを掴んだりと、非常に居心地の良い時間が流れていた場所でした。
4. 街がイベントを支えていた。吉祥寺から高円寺へ

これまでTIGSの拠点だった吉祥寺は、出展者にとっても来場者にとっても「最高に便利な街」でした。
「あ、あれ忘れた!」となっても、すぐ近くに100均やヨドバシカメラがある。お腹が空けば美味しいご飯屋さんが無限にある。街全体がイベントの回遊ルートに含まれているような感覚で、会場内での密度の高い体験と、街でのリラックスした時間がうまく共存していました。この利便性が、イベント全体の活気を支えていた一因だったのは間違いありません。
そして今年、舞台は高円寺へと移ります。
高円寺もまた、吉祥寺に負けず劣らず「独自の文化と熱量」を持った魅力的な街ですよね。「未来をつくる杉並サイエンスラボ IMAGINUS(イマジナス)」という新しい舞台で、かつてのTIGSが持っていたあの濃密な熱気が、今度は高円寺の街とどう化学反応を起こすのか。今からとてもワクワクしています。
最後に-次は高円寺から!
かつてのTIGSは、完璧に整備された展示会というよりは、クリエイターとファン、そして業界の人々が混ざり合って「熱」を生み出す、文字通りのコミュニティの場でした。
初参加の開発者の皆さんは、ぜひ周りのブースの人とも積極的に話してみてください。あの距離感の中だからこそ生まれる、思わぬ縁がきっとあるはずです。そして遊びに行く皆さんは、ぜひ会場の「密度」そのものを楽しんでみるのはいかがでしょうか。人混みを抜けた先で見つける一本のゲームが、あなたの新しいお気に入りになるかもしれません。
私たちSKOOTAGAMESは、前年ながら今回は参加しない運びとなりました!しかし一人のファンとして、高円寺で生まれる新しい熱気と新しいゲームとの出会いを楽しみにしています。
それでは、(一人のゲーマーとして)会場でお会いしましょう!